『自分の感受性くらい』

 

『詩』と出会ったお話をさせていただきます。

 東日本大震災のころ、

 テレビでずっと、金子みすゞさんの

 「こだまでしょうか」が流れていました。

 

 「『遊ぼう』っていうと

  『遊ぼう』っていう。

  『ごめんね』っていうと

  『ごめんね』っていう。」

 

 あの時に『詩』に興味を持ち、

 それから1冊の詩集を買いました。

 

 

『詩』なんてよくわからないなかで、

茨木のり子さんの『詩』は

強烈な印象で私のなかにはいってきました。

 

 

 

 

『自分の感受性くらい』   茨木のり子

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを

近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ