『なれる』

 

 

昔からいつも好みのタイプの女性がいました。

 

これまでの日記にも、

「人間は頭のなかで『意識』したものを、いつも

脳が無意識のうちにそれに合った情報を探している」

とお話しさせていただきました。

わたしも、そうやって振り返ってみると

昔からいつも好みのタイプの女性がいました。

関係あるのかなぁ。

 

『自立した女性』です。

 

ご結婚されていてもされてなくても、

仕事を持っていても家庭に入られていても、

そんなことは関係なく、

きちんと自分をもちながら

いつも安定感良く(ご本人のなかには色々あるかも、ですが)

立っていられる女性に惹かれます。

 

 

詩人の茨木のり子さんもそのおひとりです。

いつも厳しさと、真実と、ヒントをもらえます。

素敵な詩はほんとうに沢山ありますが、

そのなかからこちらを。

 

 

 

『なれる』      茨木のり子

 

 

おたがいに

なれるのは厭だな

親しさは

どんなに深くなってもいいけど

 

三十三歳の頃 あなたはそう言い

二十五歳の頃 わたしはそれを聞いた

今まで誰からも教えられることなくきてしまった大切なもの

おもえばあれがわたくしたちの出発点であったかもしれない

 

狎れる 馴れる

慣れる 狃れる

昵れる 褻れる

どれもこれもなれなれしい漢字

 

そのあたりから人と人との関係は崩れてゆき

どれほど沢山の例をみることになったでしょう

気づいたときにはもう遅い

愛にしかけられている怖い罠

おとし穴にはまってもがくこともなしに

歩いてこられたのはあなたのおかげです

親しさだけが沈殿し濃縮され

結晶の粒子は今もさらさらこぼれつづけています