『四月のうた』

 

春なので、

『新しいこととよく知りつくしているもの』 のお話です。

 

4月になると、すこし焦る感覚があったりします。

学生は目に見えてはっきりと学年が上がったり、

卒業や入学があったりして変化がありますが、

どうも大人になると、なかなかそうは変化はないもんです。

 

テレビやラジオもあたらしい番組に改正され、

世の中みーんなが春からあたらしくなってて、

なんだかじぶんも変わらなきゃいけないの?みたいな感覚に。

うーん、なんかへんだぞ。

 

 

そんなときに、

とてもいい詩と出会えました。

 

 

 『四月のうた』     谷川俊太郎

 

はじめてのものは

新しい

けれどよく知りつくしているものは

もっと豊かだ 

はじめて会ったとき

私はあなたに恋した

けれどいま

私はあなたを愛している

たがいにたがいの運命となってゆく

土が樹を育てるように

樹が土をよみがえらせるように

そしてふたりが余りに近いとき

私はひそかにあやぶむ

熟れ過ぎた愛の果実がもう落ちはしまいかと