『八月のうた』2

         

     前回に引き続き、同じ題名『八月のうた』の

     もう一つの詩のご紹介です。

     こちらは男性、谷川俊太郎さんの詩です。

 

 

     

              『八月のうた』       谷川俊太郎

 

     あの時はふたりだった

     憎んでいたのか

     愛していたのか 

     あの時はふたりだった

     丘の上に腰をおろし

     村の小学校から響いてくる

     子どもの声を聞いていた

     計画はなく

     悔いもなく

     あの時はふたりだった

     何の樹か

     草の上に影をおろし

     あなたは麦藁帽子を脱ぎ

     髪を解いて風にまかせ

     た.......

     あの時はふたりだった