『内部からくさる桃』

 

先日の忘年会で、『10年ぶりに夜、そとに出ました~』という方がお二人いらっしゃいました。ご結婚されたり、子育てをされてると女性はなかなか自分の時間が持ちにくいものです。そんな貴重なお時間を頂けて本当に有り難いなぁと感じました。『過信は足元から崩れる結果を生む、「有り難い」という気持ちがよい結果を招く』とマヤ暦にもあります。すべて物事がうまくいかなくなる原因はこの「あたりまえ」という感覚から始まるような気がしています。そんなことを考えていたら、以前こちらの日記でもご紹介させてもらった『詩』を思い出しました。

 

『内部からくさる桃』       茨木のり子

 

 

       単調なくらしに耐えること

       雨だれのように単調な.....

 

       恋人どうしのキスを

       こころして成熟させること

       一生賭けても食べ飽きない

       おいしい南の果実のように

 

       禿鷹の闘争心を

       見えないものに挑むこと

       つねにつねにしりもちをつきながら

 

       ひとびとは

       怒りの火薬を湿らせてはならない

       まことに自己の名において立つ日のために

 

       ひとびとは盗まなければならない

       恒星と恒星の間に光る友情の秘伝を

 

       ひとびとは思索しなければならない

       山師のように執拗に

       <埋没されてあるもの>を

       ひとりにだけふさわしく用意された

       <生の意味>を

 

       それらはたぶん

       おそろしいものを含んでいるだろう

       酩酊の銃を取るよりはるかに!

 

       耐えきれず人は攫む

       贋金をつかむように

       むなしく流通するものを攫む

 

       内部からいつもくさる桃 平和

 

       日々に失格し

       日々に脱落する悪たれによって

       世界は

       破壊の夢にさらされてやまない